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  • 津田識義

第43回 真のダイバーシティ&インクルージョン ~その②~

今回は前回42回の続きです。「職人」「マネージャー」「経営者」3種類のキャラクターの違いと活用方法と育成方法とについて述べていきたいと思います。



●3種類のキャラクターの違い


 職人とマネージャーと経営者にはそれぞれ際立った個性があります。

 とても分かりやすい特徴を有します。


(1)  職人タイプ

 極めてまじめ・実直で、自分の理想形を追及し、妥協を許しません。たとえ自分の命が尽きようとも理想形に到達するまで猪突猛進に突き進みます。

 ガンプラ作りに例えると、素組み(パチ組み)などは考えられず、何時間もかけてバリ取り⇒研磨⇒みぞ埋め(パテ等でパーツ間の隙間を埋める作業)⇒再度研磨⇒スジボリ⇒プライマー塗装⇒本塗装⇒墨入れ⇒トップコーティングと、粗い素組みならば3~4時間で終わるところを数日~数か月かけて完成させ、さらに背景にも力を入れ始め、ジオラマ制作までの作成期間半年以上かけるレベルのイメージです。

 重複になりますが、理想形を極めるのが目的なので、納期や予算が二の次になる傾向があります。


(2)  マネージャータイプ

 一言で言うと下表のチームを創れる人です。自分が最高レベルとなりがちな職人タイプとは違い、いわば応援団です。メンバー一人一人の個性を見極め、常にチームとしていかにハイパフォーマンスを出し続けるかが最大の目的となり、一歩引いてチーム全体の状況を俯瞰できる人です。

 優秀なマネージャーが一人で頑張るよりも、自分の頑張りを半分にして、メンバーの能力を2倍に育てた方がチーム全体のパフォーマンスが上がり、成長可能性が高まり、成長再現性が高まることを認識できる人です。



(3)  経営者タイプ

 現状に満足することはなく、常に次の手を考えます。

 ある意味妄想族です。こんなことをすれば今より良くなるはず。あんなことをすれば10年後も成長を続けられる等、環境変化を楽しみながら、時流に乗った戦略を描ける人です。

 

 

●3種類のキャラクターの活用方法


 それぞれのメリットとデメリットを把握します。


(1)  職人タイプが輝くときとデメリット

 商品開発、品質管理、建設業であれば現場代理人。ただし、人を育てるには苦手で、どちらかというと意に反する意見をする若手や出来栄えが今一つの人を殴ってしまい、昭和であれば許された事が今では逮捕されてしまいますので組織で上手く活用するには、技術を伝えるスキル及び(これはシステムでも代替化)と予算管理の重要性のスキル向上が欠かせません。野放しですと平気で1万円以上の材料費と2日間の煮込み時間で究極のカレーを作ってしまいがちなので、ここが今の時代の良い職人であるための最大のポイントと考えます。


(2)  マネージャータイプが輝く時とデメリット

 成功法則が確定している場合には、良きマネージャーがひきいるチームが多ければ多いほど業績は伸び続けます。良きマネージャー、自分のことはさておき、チーム全体の業績向上を第一に考えることができる人を指すので、職人タイプの仕事の評価軸とは大きく変わります。ゆえにメンバーからの信頼とチームメンバーからの信頼が評価の要になって良いのではと小生は長年考えております。

 デメリットは職人気質の強いチームに入ってしまうと、メンバーの信頼を得るまでに相当な時間を要するという事と、今までの成功法則が成立しなくなってしまった時にはあまり有効な策を出すことができないという事です。


(3)  経営者タイプが輝くときとデメリット

 新規事業開発。全社ビジョンの発案プロジェクト等ゲームチェンジの時に最も力を発揮します。少し浮世離れしたところがありますので、現行ビジネスモデルで業績を上げたいときに経営者タイプがマネージャーポジションにつくと、興味範囲がずれるために思ったよりも業績が上がってこないという傾向があります。


 

●3種類のキャラクターの育成方法


(1)職人タイプをマネージャーにする


 日本の企業で圧倒的に多いのが職人です。職人からマネージャーを育成するには、再掲になりますが、下図に基づき、次の世界(コンセプチャル・スキル)の世界があることを伝え、そこに魅力を感じてもらえるまで、長時間かけて説得していきます。

 


  一方、本人にはプライド・シフトが求められます。

 テクニカル・スキルの極みで出るドーパミンを手放し、コンセプチャル・・スキルが当たった時にドーパミンが出るようにします。スポーツで例えるならば、以下の図式を完成させるようなものです。

 選手として試合でホームランを打った時の快感<コーチとして自分が育てた選手が試合で大活躍するときのドーパミンもしくは監督としてゲームプラン通りに試合が進行し勝利した時の喜び。

 現役選手の時の喜びよりも、一歩ひいてチーム全体の勝利、成功を自分の喜びとする境地にたてるかどうかです。このプライド・シフトをせずにマネジメント研修に参加させても全く意味がありません。 


 

(2)マネージャーから経営者への育成

  視野・視座・視点の3視の向上につきます。

 

●各社の人事制度を見てみると、このタイプ分類ができておらず、

 上手く人財を配分できているとは言えないところに大きな課題があると考えております。

 

※ちなみにこれら主流の3タイプ以外にも様々な人種が企業には群生しております。

 「茶坊主」、「マウンティング・ゴリラ」、「アリジゴク」、「口先鳥」等々。これらできれれば健全経営を阻害するタイプについては機会があれば後述していこうと思っております。

 


 

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