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  • 津田識義

第32回 ガンプラの価値

●ガンプラの思い出

 ガンプラ。我々世代にとっては懐かしいです。そして40年以上も売上を伸ばし続けているガンプラとは何なのか、まとめておきたいという衝動に駆られました。

 

 当時中学生だった小生は「A町のおもちゃ屋にシャアザクがおいてあるらしいよ」「B町に来週水曜日にガンダムが入荷するらしい」「C町のおもちゃ屋に週末大量の量産型ザクがはいるらしい」というような情報源が不確かな噂話(当時はそれが最先端の情報)に振り回されながら、部活終わりのくたくたな状態にも関わらず、友達数人とチャリンコに乗って何十キロも離れたA町、B町、C町まで探し回ったものです。

 噂話通りあった場合は、本当にうれしく、その話を翌日学校で話して噂話をブーストさせるという循環を作っていました。ちなみに噂通り入荷がある確率は10%を切っていた記憶があります。ほとんど手ぶらで、長距離サイクリングをしてきただけという日々でした。その代わり恐ろしく体力がついたのではとは思います。



●ガンプラとの再会

 東京の仕事の帰り、お台場に用があって生まれて初めてガンダムUCの巨大立像が鎮座するダイバーシティを訪問する機会がありました。当然ガンダムベースというところも初めて足を踏み入れてみました。

 まず目に飛び込んできたのは著名人が作成した芸術作品のようなガンプラ達。美術館のようです。そして海外のお客さん(30代中心)が両手にかごを下げて、何十個も購入している姿。そしてものすごい在庫の数。そして塗装ブースまでも設置されています。

 その日はただただ圧倒されたことと、プラモデルが入るスペースが小生のキャリーケースになかったので手ぶらで出てきてしまいました。



●40年ぶりのガンプラ

 自宅に戻り数日後、あの日のインパクトがよみがえり、40年以上ぶりに作ってみようという気になりました。

 携帯で検索してみました。そういえばメガサイズというおそろしく大きなサイズ(1/48:通常は1/144サイズ)があったなあと思い、せっかくならば大きいのを作ってみようと思い、仕入れたのがシャアザクのメガサイズでした。

 ただし、すでに生産は終了しておりプレミア価格で10万円の値段がついているサイトもありました。平均3~5万円。ラッキーなことに1万数千円で京都から入手することができました。


 とにかく大きいこと以外は通常のHGと変わらないパーツ数ですので、3時間ほどで組み立て、墨入れとデカール貼りでなんだかんだと2日かかりました。

 昔のガンプラと大きく違うのは、①接着剤がいらない ②造形バランスが良い ③塗装がいらないレベルで塗分けられている。コンピューターの進化のおかげかなあと思います。



●ガンプラブーム再来

 さて、ゴールデンウィークです。今年はコロナの影響もほぼなくなり、全世界から観光客が押し寄せ、どこも人ごみになるだろうから、どこもでかけないと決めました。ではどうするか、そうだガンプラを心置きなく作りまくろう。

 大量に仕入れました。近くの家電量販店をめぐり(今は車です)、1/144HGシャア専用ズコック、ジム、ガンダム、シャア専用ザク、量産型ザク×2、ガンダムNTUC3号機、エアリアル。最後にUCメガサイズ。合計9個とそれら作品?を飾るガラス製の3段ケースを大人買いし、リビングの隅に設置しています。

 天板の上に鎮座するのがメガサイズのシャア専用ザク(小生の一番好きなモビルスーツ)、1段目にシャア専用ズコックとジム、2段目に量産型ザク×2、シャア専用ザク、宙に浮いているRX78、3段目にエアリアルと宙に浮いているガンダムNTUC3号機、ロボット魂のUC。そして玄関の靴箱の上にメガサイズのUCを飾ってあります。



●ガンプラの価値

 さてここからが本題です。なんでこんなに買ってしまったのだろう。

 それは私だけではなく、世界中で起こっているムーブメントでものすごい売上が40年以上続いているわけです。これはそのわけを構造化しないわけにはいかないというわけで、1ヶ月かけて考えてみました。その結果が下表になります。


 縦軸はテレビアニメの40年以上の歴史(全ては掲載できませんでした)。年齢とほぼリンクしているかと思います。

 最初の軌道戦士ガンダムをブラウン管テレビで見ていた世代は50台半ばが中心で、今放送中のエアリアルは10台前半が中心層。今はおじいちゃんから孫までの3世代にセグメントの裾野が広がっています。


 横軸はガンプラのスキルで、小生のように本格的な塗装まで踏み込むことに躊躇しているビギナーは左軸にとどまります。

 ガンダムベースに飾ってあるような芸術作品や世界大会に進むような方々は右軸に位置します。

 バンダイとしてはこの3角形の面積を拡大することが必勝方程式。新しいガンダムコンテンツ⇒モビルスーツのプラモデル化のルートでおそらく、このままのペースで面積は拡大し続けるでしょう。



【ガンプラ発売当初の市場規模=黄色の面積】





【ガンプラ現在の市場規模=黄色の面積】




●経営へのアナロジー

 2023年4月20日に発行されたハーバードビジネススクールのフェリックス・オーバーフォルツアー・ジー教授著「「価値」こそがすべて」の根幹をなす概念は、下表のバリュースティックにて極めてシンプルに表現されています。

 これはいろんな企業に汎用性があります。おすすめの本です。

 自社の価値、主力製品の価値をシンプルな図で表現してみて、競合と比較してみることは成長の次のステップを洞察するときに極めて有効かと思われます。



























●今の悩み

 次にまとまった時間が取れるならば、ドム3機(これがレアみたいで楽天市場にて1台あたり6~7千円近くで販売しています)グフに量産型ザク2機を追加購入。

 せっかくなのでメガサイズのRX78。そうなるとガラスケースがもう1台必要になり、設置スペースとのトレードオフがはじまります。

 ゆえに、ガンプラの追加購入はガンプラ用の専用部屋を作るまでお預けになるかと思います。






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