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  • 津田識義

第17回 人財育成その3 ~視野を広げる~

今回は第15回の3視の話を踏まえ、視野の話をしたいと思います。


●視野を広めるポイント

観察対象を自分がイメージできる大きさまで縮小してみることをお勧めします。

物事を大局的に見るには、気が遠くなるような遠い距離や時間軸を、自分が理解できる範囲に縮小してみます。



【例1】地球温暖化の問題

 地球の歴史をA4サイズに縮小してみてみます。最近、米カリフォルニア大学サンタクルーズ校(UCSC)、独ブレーメン大学海洋環境科学センター(MARUM)らの国際研究チームは、6600万年の地球の気候変動の記録を継続的かつ忠実にまとめ、天文学的な外部強制力に伴って変動する地球の気候の状態を、温室効果ガス濃度や極地の氷床体積に応じて、「ホットハウス」、「ウォームハウス」、「クールハウス」、「アイスハウス」の4つに分類しています。


 現在は「アイスハウス」の中にあり、寒冷な気候の「氷期」と比較的温暖な「間氷期」とが周期的に繰り返されてきています。UCSC及びMARUMの研究成果に、太陽黒点の活動停滞のデータを加味すると温暖効果ガスの影響により今後グラフが右上がりになるのか、それとも2030年頃から江戸中期のようにミニ氷河期に入るのか、かなり単純化すると人間の業VS宇宙の力学という論点が見えてきます。

 少なくとも100万年単位の長期スパンで考えるとここ数年、数十年の短期データだけで物事を判断することはなくなると思います。



【例2】宇宙の話。直系1mmに地球をしてみたらそうなるか

 さて、我々が住む天の川銀河には、1,000兆個あり、天の川銀河と同じような銀河が数千億個あるといわれています。(だれも宇宙の果てを見たことがないものですから・・・)。天の川銀河の大きさを想像するだけでも気が遠くなります。そこで目で見えるギリギリの直系1mmまで地球を縮小して、宇宙の大きさを考えてみました。

・太陽系の直系・・1,485km 東京から日本の最北端宗谷岬。

・天の川銀河の直系・・・7,500万km ここらへんから遠すぎてよくわからなくなります。地球1周が4万kmですから、約1,875周分離れています。

・アンドロメダ銀河までの距離・・・18.6億km 光の速さで計算しなおすと1,488光年です。光の速さで1,488年かかります。このような銀河が数千個あるという話です。


 天気の良い夜は田毎の月の棚田から宇宙を眺めていると、無数の星々を見ることができます。ただ肉眼で見えるのはほんの一部なんですね。しかも何万年も昔の映像を今見ていることになります。

 遠くから自衛隊の演習訓練を見ていると砲弾の爆発音が遅れてくる間隔に近いでしょうか。そう考えると人生100年時代と言われても人間の寿命は大変短く、宇宙の持つ時間軸からすると100年はほんの一瞬であって、しかも宇宙のハジのハジの小さな惑星の小さな国の中で我々は一生懸命生きていることになります。


 とりとめのない話になってしまいましたが、要するに我々が広く広く考えても、まだまだスコープが小さいという事を言いたかったわけです。

 大きく物事を捉えて大局的に判断できると良いですね。



  ◆次回は視点の話をしたいと思います。



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